老人性色素斑

紫外線が長年蓄積した部位にできる平坦な褐色の斑点です。表皮基底層の色素が濃くなった良性の病変で、似た色素病変と見分けて診察します。

老人性色素斑・肝斑・太田母斑様斑点がどの深さにあるかを、一つの皮膚の断面に並べて描いた図解(イラスト)で、写真ではありません。左の老人性色素斑は表皮基底層に接する薄く平らな茶色の帯、中央の肝斑は表皮から真皮の境界にかけて広がる淡い茶色の板、右の太田母斑様斑点は真皮の上・中ほどに散らばる青灰色の点として描いています。表皮と真皮の境界は点線で、層の名前は左側に置いています。大きさと深さは例示です。

図は三つの色素病変がある深さを比べた例示です。見た目が似ているため、どれかは診察で確認します。

  • できる場所

    顔・手の甲・腕・すね

    日光を長く浴びた部位にでき、アジア人では顔にできることが多いです。

  • 色素がある層

    表皮基底層

    真皮の深い部分の色素病変と異なり、老人性色素斑は表皮基底層の色素が濃くなった病変です。

  • 治療の目的

    美容目的での選択

    かゆみや痛みはなく多くは良性のため、除去するかどうかは美容目的で選びます。

老人性色素斑をひと目で

老人性色素斑(日光性色素斑)は、紫外線が長年蓄積した部位にできる平坦な褐色の斑点です。表皮基底層の色素が濃くなった良性の病変で、年齢を重ねるほどできやすくなります。

  • 紫外線が長年蓄積した部位、とくに顔や手の甲・腕・すねにできます。
  • 個々に分かれて境界は比較的はっきりしており、紫外線の刺激がない季節でも薄くならずにそのまま残ります。
  • かゆみや痛みはなく多くは良性のままなので、治療は美容目的のときに選びます。
  • 肝斑・そばかす・脂漏性角化症(老人性いぼ)と見分ける必要があり、判断に迷う病変は生検を検討します。
  • アジア人にも多く顔にできることが多いため、紫外線対策が基本のケアです。

老人性色素斑はなぜできるのですか?

見た目とできる理由、似た病変

  • 顔に茶色の斑点ができました

    老人性色素斑は、日光を長く浴びた皮膚にできる平坦で境界のはっきりした色素病変です。多くは5mmより小さく、数個が集まったりゆっくり大きくなったりすることがあります。ひとつの病変の中では色はたいてい均一で、かゆみや痛みはありません。

  • 冬になると薄くなりますか?

    老人性色素斑は、紫外線の刺激がない季節でも薄くならず一年中そのまま残ります。そばかすはこの点が異なります。

  • なぜできるのですか?

    紫外線が長年蓄積することででき、日焼けサロン(タンニングマシン)や光線治療も原因になります。紫外線はメラニンの生成を増やし、ケラチノサイトの中にメラニンが長くとどまるようにします。年齢を重ねるほど、肌が明るいほどできやすく、アジア人にも多くみられます。

  • 肝斑や脂漏性角化症とはどう違うのですか?

    老人性色素斑は個々の斑点で境界が比較的はっきりしており、にじむようにつながる肝斑とは異なります。脂漏性角化症(老人性いぼ)は老人性色素斑とは別の疾患で、老人性色素斑はこの病変の前駆病変と考えられています。表面がざらついて触れることがあるため、迷う場合は診察で確認します。

病院では老人性色素斑をどのように診療しますか?

まず見分け、病変に合わせて方法を選びます

診察で病変の形・境界・色・部位をみて、肝斑・そばかす・脂漏性角化症と見分けます。色がいくつも混ざってみえる場合や形が非典型的な場合は、生検を検討します。

老人性色素斑には、病変にかさぶたができ、かさぶたがはがれるときに色素も一緒に取れる色素レーザーを使います。

  • 見分けが先です

    肝斑が混ざっていないかをまずみます。同じ強さを肝斑に使うとかえって濃くなることがあるため、病変を分けて確認してから計画を立てます。

  • 病変ごとに方法が異なります

    平坦な病変はかさぶたができる色素レーザーで、厚く盛り上がった病変はCO2やエルビウムヤグレーザーで表面を削ります。どちらにするかは診察で決めます。

  • 残った色素は分けて

    病変ごとに反応が異なるため、残った色素は精密トーニングで分けて管理します。どの機器をどの条件で重ねるかは、病変の深さと色調をみて診療で決めます。

老人性色素斑と似た病変には何がありますか?

茶色に見えても、色素がある層とにじむ形が異なります

いくつかの色素病変は茶色の斑点に見えますが、色素がある層とにじむ形が異なります。そのため診察でまず見分けます。

見た目と色素の位置はどう違いますか?

似た色素病変の見た目と見分けるポイント
区分見た目見分けるポイント
老人性色素斑個々に分かれて境界は比較的はっきりしており、季節に関係なくそのまま残ります。表皮基底層の色素が濃くなった良性の病変です。
肝斑にじむようにつながり境界が不明瞭で、体調によって濃さが変わります。広くにじみ、老人性色素斑と一緒にあることがあります。
太田母斑様斑点境界が比較的はっきりした灰褐色の斑点が左右対称に現れ、自然に消えることはありません。真皮の上層・中層に色素細胞が散らばっています。

診察から施術までどのように進みますか?

カウンセリングと見分け、施術、経過の確認

  1. 診察と見分け

    病変の形・境界・色・部位をみます。肝斑・そばかす・脂漏性角化症と見分け、迷う場合は生検を検討します。

  2. 方法を決める

    病変の厚さと色調をみて、かさぶたができる色素レーザーにするか、厚い病変の表面を削るかを決めます。計画はカウンセリングで決めます。

  3. 施術

    病変に限ってかさぶたができるように照射します。厚く盛り上がった病変は表面を精密に削ります。

  4. 経過の確認

    かさぶたが自然にはがれるのを待ち、残った色素は精密トーニングで分けて管理します。次の施術の有無と間隔は、経過をみて診療で決めます。

施術後はどのようにケアしますか?

かさぶたがはがれるまで刺激を避けます

施術した部位にかさぶたができます。かさぶたは無理にはがさず、自然にはがれるまでそのままにします。

かさぶたができた部位

かさぶたを早くはがすと、色素が残ったり跡が長く残ったりすることがあります。

赤くなったり黒ずんだりするとき

強い施術の後は、部位が一時的に赤くなったり黒ずんだりすることがあります。肝斑が一緒にあると、施術後の色素沈着が起こりやすくなることがあります。

紫外線対策が大切です。色素沈着が生じたときのケアは、経過をみてカウンセリングでご案内します。

再びできることがあります

老人性色素斑は紫外線が積み重なると再びできることがあるため、治療後も紫外線対策が必要です。

治っている間も日焼け止めを使います。治りかけの皮膚は色素がつきやすいため、室内でも塗ります。

じくじくした滲出液や広がる赤み、いつもと違う痛みがある場合は、次の予約を待たずにご連絡ください。

施術の前後に何に注意すればよいですか?

老人性色素斑は多くは良性ですが、老人性色素斑に見える病変が別の疾患のこともあるため、迷う場合はレーザーより確認が先です。病変を破壊する治療は色の変化を残すことがあるため、紫外線対策が大切です。

まず確認が必要な病変

  • 顔・首の平坦な色素病変は、メラノーマ(悪性黒色腫)のように診断が難しい病変と見分ける必要があります。色がいくつも混ざってみえる場合や形が非典型的な場合は、生検を検討します。
  • 老人性色素斑とみてレーザーを行った後に悪性黒色腫が確認された症例が報告されています。迷う病変はレーザーの前に組織学的な確認を検討します。
  • 老人性色素斑はメラノーマのリスク因子として知られており、定期的な皮膚の検診もあわせて必要です。

施術後に起こりうる変化

  • 病変を破壊する方法は、一時的または永続的な色の変化を残すことがあります。
  • 色素レーザーの後に部位が一時的に濃くなる色素沈着が生じることがあり、赤みが長引いたり日中に屋外で過ごしたりするとリスクが高まります。

紫外線対策と定期検診

  • 治療後も紫外線対策が必要です。紫外線が積み重なると新しい病変ができることがあります。

老人性色素斑のよくある質問

老人性色素斑は放っておいてもよいですか?

多くは良性のため、必ず治療しなければならないわけではありません。美容目的で除去する場合が多く、治療計画はカウンセリングで決めます。

老人性色素斑と脂漏性角化症は同じものですか?

いいえ。脂漏性角化症(老人性いぼ)は老人性色素斑とは別の疾患で、老人性色素斑はこの病変の前駆病変と考えられています。表面が厚く盛り上がっているかによって扱い方が変わるため、診察で見分けます。

肝斑と一緒にあっても治療できますか?

一緒にあることがあります。肝斑が混ざっていると、同じ強さで扱うとかえって濃くなることがあるため、診察で病変を分けて確認してから計画を立てます。

そばかすとはどう違うのですか?

老人性色素斑は季節に関係なく薄くならず、一年中そのまま残ります。そばかすは10代前半から頬と鼻に1〜3mmの薄い茶色の点として散らばることが多いです。

レーザーの前になぜ診察をするのですか?

老人性色素斑に見える病変がメラノーマのことがあるためです。色が混ざってみえる場合や形が非典型的な場合は、生検を検討してから治療計画を立てます。

どのような方法で除去しますか?

平坦な病変には、かさぶたができてはがれるときに色素が取れる色素レーザーを使います。厚く盛り上がった病変はCO2やエルビウムヤグレーザーで表面を精密に削ります。残った色素は精密トーニングで分けて管理します。

何回かに分けて受ける必要がありますか?

病変ごとに反応が異なるため、追加の施術が必要になることがあります。残った色素は精密トーニングで分けて管理し、次の計画は経過をみて決めます。

かさぶたはどのようにケアしますか?

無理にはがさず、自然にはがれるまでそのままにします。早くはがすと、色素が残ったり跡が長く残ったりすることがあります。

施術後に部位が黒ずむことがありますか?

色素レーザーの後に部位が一時的に濃くなる色素沈着が生じることがあります。赤みが長引いたり日中に屋外で過ごしたりするとリスクが高まるため、紫外線対策が大切です。肝斑が一緒にあると起こりやすくなることがあります。

老人性色素斑は再びできることがありますか?

紫外線が積み重なると新しい病変ができることがあるため、治療後も紫外線対策が必要です。

顔以外の部位にもできますか?

手の甲・腕・すねのように日光を多く浴びる場所に主にできます。顔にできることも多いです。

自分の斑点がどの病変か、診察でご確認ください

ソウル江南の島山大路にあるThe Other皮膚科で、病変の形と色を確認したうえで、老人性色素斑か似た病変か、治療方法をご案内します。

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