ニキビ跡
ニキビ跡は、ニキビの炎症が過ぎた場所に色が残った状態です。赤い跡はその場所に残った血管の変化が、茶色い跡は炎症が残したメラニンが透けて見えているものです。
ニキビ跡として色が残る場所と深さを、一つの皮膚の断面に示した図解(イラスト)で、写真ではありません。左には表皮の中で広がる茶色の色素を、中央には真皮のより深いところにとどまった色素を、右には真皮の上層で拡張した毛細血管を描いています。層の名前は左に表皮と真皮として記しています。色の広がりと深さは例示です。
図は色が残る深さを示した例示で、実際の皮膚とは異なる場合があります。どの層に色があるかは診察で確認します。
見た目
平らな色
皮膚がへこんだり盛り上がったりせず、色だけが残ります。凹んだ瘢痕とは異なる問題です。
残るもの
血管・メラニン
赤い跡は毛細血管が拡張して表皮が薄くなった状態、茶色い跡はメラニンが過剰に蓄積した状態です。
経過
多くは数か月以上
表皮に蓄積した茶色い跡は数か月から1年ほどで薄くなることが多く、真皮にとどまった色素はより長く残ります。
ニキビ跡の要点
ニキビ跡は、炎症が落ち着いたあとにその場所へ残る赤色または茶色の痕です。組織が失われた瘢痕と異なり、色と血管の変化が残った状態です。
- 赤い跡は、炎症のあとに毛細血管が拡張し表皮が薄くなることで赤く見えます。
- 茶色い跡は、炎症がメラニンを過剰につくり、不規則に散らばして残すことで生じます。
- 表皮に蓄積した色素は茶色く見えて比較的よく薄くなり、真皮にとどまった色素は青灰色に見えて長く残ります。
- 多くは時間とともに薄くなりますが数か月以上かかり、赤い跡は数か月残ることもあります。
- 色の濃い肌では茶色い跡が、明るい肌では赤い跡がより多くみられます。
ニキビ跡はなぜできるのですか?
見た目と残るものの違い
ニキビは落ち着いたのに、跡が赤く残っています
炎症が過ぎた場所で毛細血管が拡張し、表皮が薄くなって赤く見える状態です。多くは時間とともに薄くなりますが、数か月残ることもあります。
茶色く濃くなりましたが、消えますか?
炎症がメラニンを過剰につくったために残った色素です。表皮にあれば茶色く見えて比較的よく薄くなり、真皮まで及ぶと青灰色に見えて長く残ります。跡は赤色から茶色を経て肌色へ移っていくこともあります。
これは瘢痕ですか、跡ですか?
跡は色が残ったもので、凹んだ瘢痕は組織が失われたものです。できたばかりの瘢痕にも赤みと色素がともにあり初期は区別が難しく、色の濃い跡は影のように見えてへこんでいるように見えることもあります。
肝斑だと思っていましたが、跡のこともありますか?
その可能性はあります。跡のように見える他の色素疾患があるため、診察で区別します。
クリニックでは跡をどのように確認し、治療しますか?
層を先に確認し、炎症と色に合わせて順序を決めます
跡は、色がどの層にあるかによって扱い方が異なります。表皮の色素を狙うピーリング・レーザー・光は真皮の色素には届かないため、診察と検査で層を先に確認します。
ニキビがまだ活動中であれば、跡よりも炎症を先にみます。炎症が続くと跡も新たに残り続けるためです。
何が残っているかの確認
診察で赤い跡か茶色い跡か、凹んだ場所がないかをみます。色素がどの層にあるかをみる際には、文献ではウッドランプ検査も併用され、当院では多光源解析装置で目に見えない色素と毛穴を数値化します。
活動性のニキビを先に
活動性のニキビには飲み薬や塗り薬を併用することがあります。炎症が落ち着いてから跡の治療に進みます。
色と血管に合わせたレーザー
赤い跡には血管を標的とするレーザーを用います。ヘモグロビンによく吸収される波長を短いパルスで照射し、熱の損傷を血管の内側にとどめます。茶色い跡には色素を狙うレーザーを用い、当院はピコ秒レーザーとロングパルスレーザー、Clarity 2を保有しています。
ニキビ跡と凹んだ瘢痕は何が違うのですか?
どちらもニキビのあとに残りますが、残るものが異なります。跡は色と血管の変化で、凹んだ場所は組織が失われた瘢痕です。
残るものと見た目はどう違うのですか?
| 区分 | 残るもの | 見た目と経過 |
|---|---|---|
| ニキビ跡 | 色素と血管の変化(赤い跡・茶色い跡) | 平らに見え、多くは数か月かけて薄くなります。 |
| 凹んだ場所(ニキビの瘢痕) | 皮膚組織が失われる | 影のように見え、自然には消えません。 |
診療はどのような順序で進みますか?
カウンセリングと診察、治療、ケア
カウンセリングと診察
ニキビが落ち着いた時期、いま上がってくるニキビがあるか、これまで受けた施術を確認します。跡か瘢痕か、色がどの層にあるかをあわせてみます。
検査
診察で色がどの層にあるかをみて、多光源解析装置で目に見えない色素と毛穴を数値化し、あわせて確認します。
治療
活動性のニキビがあれば先に対応し、赤い跡と茶色い跡に合うレーザーを用います。
経過の確認とケア
跡が薄くなる速さはケースごとに異なるため、経過をみながら次の計画を決めます。紫外線対策は治療中も続けて必要です。
ニキビ跡はいつ薄くなりますか?
多くは時間とともに薄くなりますが数か月かかり、色が真皮にとどまるとより長く残ります。
ニキビが落ち着いた直後
跡が赤く見えます。炎症のあとに毛細血管が拡張し、表皮が薄くなった状態です。
数か月
赤い跡は多くは薄くなりますが、数か月残ることもあります。
数か月から1年ほど
表皮に蓄積した茶色い跡はこの頃に薄くなることが多くあります。
長く残る場合
真皮にとどまった色素は青灰色に見え、ゆっくり薄くなり長く残ることがあります。
凹んだ場所
組織が失われた瘢痕は自然には消えません。
このページではビフォーアフターの写真を掲載していません。跡が薄くなる速さと程度はケースごとに異なり、写真が自分の肌の経過を代わりに示すことはできないためです。
跡が濃くならないようにどのようにケアしますか?
自宅でのケアと血管レーザー治療後のケア
すでに残った跡が濃くならないためのケアと、新しい跡ができないようにするケアがともに必要です。
紫外線対策
紫外線は茶色い跡と赤い跡をつくったり濃くしたりすることがあるため、毎日日焼け止めを塗ることがケアの一部です。
色素ができやすい肌では、酸化鉄を含む色つきの製剤が可視光線による着色に対してよりよい防御を示したという報告があります。
刺激を避ける
刺激は炎症を経て色をより濃くすることがあります。
ニキビをいじったりつぶしたりする手は、瘢痕ができる可能性を高めます。
活動性のニキビを時期を逃さず治療することは、跡と瘢痕の発生と程度を減らすのに役立ちます。
血管レーザー治療を受けたあと
血管レーザーの施術直後は冷やして落ち着かせ、数日間はこすったり、粒状の洗浄料を使ったりしません。
治るまでは水泳・サウナ・熱い入浴と、体がぶつかる運動を避けます。
治療を受けている間も紫外線対策は続けます。十分な光防御がないと、跡が再び濃くなることがよくあります。
跡に見えても他の病気のことがありますか?
跡のように見える色素疾患はいくつもあり、色がどの層にあるかによって対応が異なります。診察なしに治療法から決めると、色をより濃くすることがあります。
他の病気との区別が必要なとき
- 肝斑、老人性色素斑、癜風のように跡と似て見える色素疾患があるため、診察で区別します。
- 赤みがニキビができていた分布と合わない場合は、他の原因もあわせてみます。
治療が色を濃くすることもあります
- 色素を狙うレーザーとケミカルピーリングは、皮膚の刺激と追加の色素沈着を起こすことがあります。
- 表皮を狙うピーリング・レーザー・光は真皮にとどまった色素には届かず、表皮を傷つけてかえって色を濃くすることがあります。
- レーザー・光治療のあとに炎症後紅斑と色素沈着が合併症として報告されています。
- 色素病変のレーザー治療で、茶色い跡がかえって濃くなった症例が報告されています。
ニキビ跡のよくある質問
ニキビ跡とニキビの瘢痕は同じものですか?
異なります。跡は色が残ったもので、凹んだ瘢痕は組織が失われたものです。詳しい違いは比較表にまとめました。
赤い跡と茶色い跡はなぜ違って見えるのですか?
赤い跡は炎症のあとに毛細血管が拡張し表皮が薄くなることで生じ、茶色い跡は炎症がメラニンを過剰につくって残したものです。茶色い跡は肌の色が濃い人に、赤い跡は明るい肌に多くみられます。
そのままにしておくと消えますか?
多くは時間とともに薄くなりますが、数か月以上かかります。表皮に蓄積した茶色い跡は数か月から1年ほどで薄くなることが多く、真皮にとどまった色素は青灰色に見えて長く残ることがあります。組織が失われた瘢痕は自然には消えません。
クリニックでは何で確認しますか?
診察で跡か瘢痕か、色がどの層にあるかをみます。目に見えない色素と毛穴は多光源解析装置で数値化します。
ニキビがまだ出ているのに跡の治療を受けてもよいですか?
受けられます。ただしニキビが活動中であれば、その炎症を先に対応します。活動期に時期を逃さず治療することは、跡と瘢痕の発生と程度を減らすのに役立ちます。
赤い跡にはどのような治療をしますか?
血管を標的とするレーザーを用います。ヘモグロビンによく吸収される波長を短いパルスで照射し、熱の損傷を血管の内側にとどめます。
茶色い跡にはどのような治療をしますか?
色素を狙うレーザーを用います。色が表皮にあるか真皮にあるかで反応が異なるため、層を先に確認します。表皮を狙う治療は真皮にとどまった色素には届きません。
治療を受けると跡がもっと濃くなることがありますか?
その可能性はあります。レーザー・光治療のあとに炎症後紅斑と色素沈着が報告されており、色素病変のレーザー治療で茶色い跡がかえって濃くなった症例も報告されています。そのため診察で色がどの層にあるかを先に確認します。
背中や胸に残った跡も同じように治療しますか?
体幹は角質層が厚く塗り薬がしみ込みにくいため、顔と同じ方法がそのまま合わないことがあります。部位に合った方法と順序は診察で決めます。
自宅でできるケアは何ですか?
紫外線対策が基本です。紫外線は跡をつくったり濃くしたりすることがあります。ニキビをいじったりつぶしたりしません。
跡がまたできることはありますか?
ニキビがまたできると、その場所に跡が新たに残ることがあります。
残ったものが跡か瘢痕か、診察でご確認ください
ソウル江南の島山大路にあるThe Other皮膚科で、色と部位、層を確認したうえで、跡か瘢痕かと合う方法をご案内します。
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